作成者別アーカイブ: ミーヨン

Works

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真理は一つ – 賢者はそれをさまざまな名前で呼ぶ     एकं सद्विप्रा बहुधा वदन्
神々の島 – 済州
 千の顔を持つ「私」
プシケ
long-term project
I and Thou
KUU
Alone Together
Yomogi soshi —
Who might you be?
2歳の瞬間
I was born

よもぎ草子ーあなたはだれですか

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よもぎ草子 ー あなたはだれですか。

 

text
 
よくとおる通学路沿いに、ある日、いっぽんの草が、ひょっこりと顔をだした。
梅雨にはいってまもないころで、草はすくすくそだち、見るたびに、成長していた。
わたしはその道を、まいにち、朝、夕、とおりながら、草の生長を見まもるのが、
日に日に、楽しみになっていった。

地中に根をはやし、自分ではいっぽも動けず、ずっとおなじ場所に生きている草は、
どんな風景を見ているのだろう、なにを見ているのだろう、と思った。
カメラを、草の背丈にあわせ、地べたすれすれのところにかまえ、ファインダーをのぞてみた。
草は、正方形のファインダーのなかにおさまり、見られるなかで、見ていた。

その草の名は、ヒメムカシヨモギ。
その、ヒメムカシヨモギに出会ってから、
まわりにひっそりと自生する草たちの姿にも、目がとまるようになった。
梅雨から夏にかけて、わたしはそれらの小さな存在に出会うために、
いくつもの道へと出かけていった。

しばらくして、ヒメムカシヨモギがたおれているのに気づいた。わたしは、そのありのままの
姿を、撮りつづけた。
そして、ある朝、ヒメムカシヨモギは、跡形もなく消えていた。

短い間だったが、その草は、一生を全うし、わたしは、その生まれかわりを探すかのように、
いまもなお、いくつもの道で、さまざまなヒメムカシヨモギの姿に、目をうばわれる。

だれもしらない、わたしだけの記憶──その記憶は、ときに幻のようで、
あの暑かった夏の陽ざしのなかに溶けてしまいそうだが、密会のように続いた、
ふたりの会話が、証拠のように、くっきりとフィルムに刻まれている。

 

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“空”は、仏教の基本的な教理である。
この世のあらゆるものは、それ自身の固定的な実体がない。
すべては縁起によって成りたっている。
そして、一時も休まず常に関係のなかで移り変わっていく。
世界は、目に映る様々な現象が”空”であり
”無常”であるからこそ、美しいのかもしれない。
 

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At the age of two

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2歳の瞬間(とき)

 

text
 
生まれて2年そこそこ。
まだ赤ちゃんの1歳と、幼児の入り口にいる3歳の、
ちょうど真ん中にいる2歳は、どのように生きているのだろうか。
彼らの世界には、過去へのこだわりも未来への不安もなく、
今この瞬間だけを生きる純粋な美しさがある。
ひとりひとりとの出会いと、いっしょに過ごした楽しい時間。
生まれて2年そこそこ、2歳の内に遊びにいく。

 

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I and Thou

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我と汝

 

text

幼いころ、世の中に〈私〉というものは自分ひとりだと思っていた。
小学生になり、同じ年の子どもたちが集まる学校に通うようになると、ある日、
仲良くなった友だちも自分のことを〈私〉として考え、その自分を中心にした
〈私の世界〉をもっていることに気づき、不思議だった。
それ以来、〈私〉とはいったいなんだろうという疑問が私の心に棲みついた。

旅をとおして世界と向きあうと、世界が汝となって私に語りかける。
やはりこの宇宙に〈私〉というものはひとりなのかもしれない。
ひとりの私のなかに無数の私が内在し、無数の私はひとりの私のさまざまな側面だ。
我同士が向いあうと相手は互いにとって汝となり、そうして関係がはじまる。

本シリーズは、マルティン・ブーバーの著書『我と汝』と、東洋思想からインスピレーションを得て制作された。

 

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Alone Together

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Alone Together

 

text
 
私はあなたのひいおばあさんだった、のかもしれない。
すれちがうあなたの顔を、私は知っている。

あるときから、この世に他人はいないと思うようになった。
個々の存在として生きている私たちの一人ひとりが、
生を営むなかで、ある瞬間、ばったりと出会う。
そのとき、すべての固有名詞が剥がされ、この世に人の数だけいる、
”私”同士となり、それぞれの奥深くに息づく命の根源に、
まっすぐつながっていると感じる。

大勢の人のなかにいると、私は消えてしまう。
“無数の私”、“大きい私”、のなかに。

 

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I was born

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I was born

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